お客さまの“より豊かな暮らし”を支える─
電力自由化で選ばれる東京電力エナジーパートナーへ

2016/04/01

2016年4月、日本におけるエネルギー事業の大きな転換点──"電力自由化"が始まった。私たちはその内容をどれだけ理解しているだろうか。日常の生活に欠かせない電気、そして家計にも大きく関わるからこそ、しっかりと理解を深めたい。東電社員として最年少で執行役員に就任、東京電力エナジーパートナーでは常務取締役を務め、新料金体系導入の責任を担う佐藤梨江子さんに話を聞いた。

佐藤梨江子

東京電力エナジーパートナー常務取締役

1990年入社。銀座支店にて電気の設備計画などの業務に携わる。1999年に営業部門へ配属。2004年に東京支店業務革新グループマネージャー、2009年に販売営業本部業務品質・人材育成サポートグループマネージャーに着任。営業面、人材育成面などにおける同社の業務改革の中心として活躍。2011年から、福島原子力被災者支援対策本部に在籍し、被災者支援に携わる。2013年より現職。

さまざまな事業者が新規参入し自由競争の時代へ。料金面でもサービス面でもメリットが生まれる

私たち消費者の生活に大きく関わる電力自由化だからこそ、いま、知るべきこと、知っておくとお得なことがたくさんある。はたして、電力自由化とはどういうことなのか。

「これまでご家庭や商店などのお客さま向けの電気は、当社や関西電力など各地域の電力会社だけが販売しており、電気をどの会社から買うか、お客さまが選ぶことはできませんでした。それが、今年4月1日以降は、電力の小売りが全面自由化され、家庭や商店を含むすべてのお客さまが、自身で電力会社や料金プランを自由に選択できるようになります。
つまり、ライフスタイルや価値観に合わせて、お客さまが自分の意思でお選びになるようになる。これが最大の変化です」

「昨年8月から始まった小売電気事業者の事前登録には約300件の申請があり、そのうち169件の登録が済まされています。地域独占がなくなり、市場競争が生まれることで、料金の値下げやサービスの拡充など、お客さまにとってのメリットが生まれるでしょう」
※2016年2月8日時点

自由化の対象となるお客さまは電力量で4割、契約軒数では当社だけで2000万軒にのぼる

電力全面自由化を目前に控え、世間でも注目を集めているが、なぜいま、自由化なのか。

「実は、電力小売自由化はいまに始まるわけではありません。地域独占で営まれてきた電気事業における規制緩和、競争原理の導入を目的に、1995年に電気事業法が改正され、「特別高圧」区分の大規模工場やデパート、オフィスビルなどのお客さまは、2000年3月に新規事業者からも電気を購入できるようになりました」

「そして、その対象が徐々に拡大され、いよいよ今年4月からご家庭や商店などのお客さまも自由化の対象となりました。こういった方々の電力使用量は全体の40%、契約軒数では2000万軒を超えます」

価格面やサービス面におけるメリットとともに電力自由化詐欺などトラブルが起こるデメリットも

電力自由化で私たちの生活はどう変わるのか。

「電力自由化は、自分のライフスタイルやエネルギーの使い方を振り返る好機です。ご家庭で考えると、大家族もあれば少人数の世帯もありますし、事情もエネルギーの使い方もさまざまです。まず、お客さまご自身が"どう暮らしたいのか""自分にとっての豊かな暮らしとは何か"を思い描かれる。そして私たちが、各ご家庭の価値観に合わせて、我慢せずに快適に暮らしながらもエネルギーを上手に使うことができて、暮らしの豊かさを感じる…そういうお手伝いをすることが当社の役割です」

「電力市場には競争原理が働き、当面は価格競争が進むと思います。しかし、電気事業は費用の大半を電源費用や送配電に伴う託送費用が占め、利益率は3%前後であるため、お客さまの契約をいただきたいからといって、劇的な値下げに走ることはできないのです。価格競争には限界があり、その後はサービスの競争になるでしょう」

「異業種とのコラボレーションによる、電気+他社商品のセット割引だったり、新しいサービスの拡充だったり…。お客さまのニーズに合わせた新たな料金プラン、サービスを打ち出し、差別化を図っていく必要があります。それらを上手に選択することで、お客さまは経済的にも暮らしの質的にもメリットを享受していただけると思います」

「一方、さまざまな事業者が参入することで、リスクも発生します。経営が成り立たない事業者や義務づけられている消費者への情報提供を行わない事業者が現れるかもしれません」

「また、新規参入事業者と名乗り契約を取りつける"電力自由化詐欺"が現れることも危惧しています。お客さまのリスク回避に向けて、これまで以上に当社は情報提供や注意喚起を行いますが、お客さまご自身でも、契約前にその事業者が小売事業者として登録済みか資源エネルギー庁のHPで調べてみる、当社にお問い合わせいただくなど、細心の注意を払っていただく必要があります」

多彩な事業者とのシナジー効果によりニーズを掘り起こし、お客さまに付加価値の高いサービスを創造する

「これまで通り、東京電力から電気を買いたい」という場合、そのまま何もしなくても、電気を使用できるのだろうか。

「もちろんです。自由化になったからといって、電気が止まったりすることはありません。これまでのご契約にご満足いただいている場合は、何もしなくても引き続き現在の料金プランで電気を使用できますのでご安心ください」

東京電力はこの一連の電力システム改革や自由化とどのように向き合っていくのか。

「日本で行われている電力システム改革は、2020年の電力の"発送電の法的な分離"がゴールになります。とはいえ、いわゆる自由化の核である、この4月の家庭用の電力小売自由化を当社はもっとも重視しています」

「2016年1月に新しい料金プランと同時に21社との提携サービスを発表しましたが、提携先は2月19日現在で30社に増えています。今後もさまざまな分野の企業との提携により、シナジー効果が生まれ、自由化にふさわしい、お客さまにとって付加価値の高いサービスをご提供することで勝負していきたいと考えます」

「将来的には、IoT(Internet of Things:さまざまな物に通信機能を持たせ、インターネットに接続、相互に通信する技術)を活用し、家電などから収集したデータとスマートメーターで計測した30分ごとの電力消費量、提携会社が持つマーケティング情報などを掛け合わせることで、お客さまの潜在的なニーズをとらえてご提案していきたいと考えています」

「そして、2017年のガス小売の自由化。当社にとっては、このガスの自由化もとても重要だと考え、準備を進めています。実は、既に一部の法人のお客さまにはガスも販売していますし、お客さまにとってエネルギー効率が最も良くなると判断したら、電気とガスを組み合わせたソリューション提案も行っています。ご家庭で使われるエネルギーは、電気とガスが大半。だからこそ、ご家庭向けの都市ガスの小売を当社も行えるようになれば、ご家庭内のエネルギーを総合的に捉え、"電気とガス、どちらがいいか"ではなく、"お客さまの価値観に合った最適な選び方"といった総合的なコンサルティングができると思っています」

「これまでは、何もしなくても電気を買っていただくことができました。そのような"待ち"の姿勢から、"提案"の姿勢へ──。実際、社員の意識にも変化が見られます。お客さまのために『こういったことがしたい』『こういうサービスはどう?』など、私宛てにもさまざまな提案が届きます。競争は厳しいと思いますが、そこを勝ち抜くことでこそ、福島への責任も果たしていけると考えています。社員一丸となって取り組んでいきたいと思います」

電話や来客、ミーティングなど人とのやりとりがとにかく多く、業務は多忙を極める。それでも、みずからを「世話好きで営業向き」と自称する佐藤さん。相手が何を求めているのかを考えながら提案し、それによって相手が喜ぶ姿を見るのが、何よりの仕事のやりがいだと語る。

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