DX担当役員メッセージ

TEPCOグループは、DX(デジタルトランスフォーメーション)の戦略を加速させていきます。業務カイゼン活動とデータ活用・デジタル技術の融合により、業務プロセスや組織、働き方のすべてを刷新し、生産性倍増と新しいビジネスモデルの創造をめざします。
当社グループでは、カーボンニュートラルや防災といった分野の「社会的な課題の解決」と「稼ぐ力の創造」を同時実現することを経営目標としています。激甚化する自然災害や新型コロナウイルスの蔓延がもたらした新しい生活様式への変化の中で、電力レジリエンスを強化し、日本国内の激化する電力競争市場を勝ち抜き、そして、新々・総特において掲げる長期的な利益水準を実現するには、これまでの事業の延長線上でない非連続の改革が必要です。既存事業の生産性を飛躍的に高める「お客さま体験向上」や「働き方改革」などを実現するとともに、新たなビジネスモデルやサービスを創出して新たな収益源を確保してまいります。そのためには、企業文化の変革やそれを成し遂げる変革人財の育成も重要です。
企業文化の変革では、業務プロセス改善に向けて「トヨタ式カイゼン」を取り入れるとともに、「オープン」、「スピード」、「コ・クリエーション」の3つの行動原則に基づき活動を推進しています。人財育成では、DX思考で経営環境の変化に柔軟に対応できる人財スキルセットを定義し、デジタル人財育成研修・データサイエンティスト育成研修などを継続実施しています。
組織としては、2020年4月に当社グループ全体として、業務の手段・プロセスから事業の目的までを体系化し、持続性のあるDX戦略を推進するDXプロジェクト推進室を新設し、また、オープンな環境において、デザイン思考を取り入れアジャイル開発を担うインキュベーションセンター「tepsys Labs」の活動を2018年6月から開始しています。
当社グループは、2,700万口のお客さまデータ、600万本の電柱など、国内の1/3の電力データを保持するデータソースカンパニーと定義できます。最新のデジタル技術を用いてお客さま一人ひとりとつながり、お客さま視点から自社のオペレーションやインフラを効率化させてサービスを提供するとともに、多様化・複雑化する社会的な課題解決に貢献するプラットフォームの構築に取り組んでいます。
具体的には、スマートメーターデータを活用し、社会的な課題の解決やデータ流通による新たな付加価値の創出を実現するサービスを提供するデジタルプラットフォーム「Grid DataBank Lab」を、同業種間・異業種間との共創により構築し、ビジネスモデルとして確立してまいります。

DX推進体制

TEPCOグループは、DXによる経営革新を実現するために推進体制の構築と人財育成を進めています。DXビジネス変革委員会を設置し、カイゼン活動をベースにグループを横断する社長直轄のDX重点プロジェクトを選定して変革を推進します。
また、具体的なDX活動、ビジネスの変革を担う人財についてはステップごとの体系化した研修プログラムを整備し、変革に取り組める「人づくり・仲間づくり」に力を入れています。

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CyberSecurity

平常時からTEPCOグループのリスク管理を一元的に統括し、それぞれのリスクシナリオ分析に基づく対応策の整備を目的にリスク管理委員会を設置しています。本委員会の下に6つの専門部会を設置し、「情報・システムセキュリティ対策」部会では、国際的なフレームワーク等に基づき、システムのセキュリティ対策、セキュリティ教育等の対策を実施しており、実施状況に対する監査を行っています。

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